2018年6月14, 15日に北海道大学で開催された電子情報通信学会VLD/CAS/SIP/MSS研究会にて本研究室M1の名倉が研究発表を行いました(発表日は14日).
名倉の発表はストカスティック計算(Stochastic computing, SC)と呼ばれる計算手法を用いた省面積な積和演算器に関するものです.高精度かつ汎用的な機械学習手法であるニューラルネットワークが近年注目されていますが,学習や推論における計算量が大きく,ハードウェアで実装する際の回路面積や消費電力が大きくなることが課題となっています.ビット列中の1の数により数値を表して演算を行うストカスティック計算に着目し,ニューラルネットワーク中の主要な計算である積和演算を精度良く実行できる演算器を提案しました.提案演算器をニューラルネットワークに適用して評価した結果,既存の SC による積和演算器とほぼ同程度の回路面積・消費電力のまま,認識精度を大幅に向上できることを示しました.
- 名倉 健太, 廣本 正之, 佐藤 高史:
“ストカスティック計算を用いたニューラルネットワークハードウェアのための省面積積和演算器”, 電子情報通信学会技術研究報告(VLSI設計技術研究会) (於 北海道大学フロンティア応用科学研究棟), Vol.118, No.83, VLD2018-18, pp.81-86, 2018年6月.