DAシンポジウム2014

2014年8月28〜29日に下呂で開催されたDAシンポジウム2014においてD2の粟野が集積回路の長期信頼性に関する発表を行いました(発表日は8月28日).

半導体製造プロセスの微細化に伴い,集積回路の劣化故障が問題視されています.特に負バイアス温度不安定性(NBTI)と呼ばれる,トランジスタのスイッチング速度が低下していく現象が注目を集めています.一方で,微細なトランジスタでは特性が大きくばらつくため,NBTIのような劣化についてもばらつきを持った統計量として取り扱う必要があります.ばらつきのモデル化には大量の測定データが必要となるため,我々はNBTIを効率的に測定する回路を考案・チップ試作による検証を行って来ました.本発表では,測定可能なトランジスタ数を,従来の100個程度から数千個程度まで大規模化するとともに,4k個のトランジスタで測定された劣化ばらつきについて報告しました.その結果,劣化ばらつきはチャネル面積の逆数に比例して増大することが明らかとなり,微細化の進行とともに劣化ばらつきが急速に増大することが示唆されました.

  • 粟野 皓光, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “3996トランジスタにおけるNBTI劣化の統計的ばらつき”, 情報処理学会DAシンポジウム2014 (於 岐阜県下呂市 ホテル下呂温泉水明館), pp.3-8, 2014年8月.
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