2014年8月4日~5日に淡路島で開催された第27回 回路とシステムワークショップにて,本研究室卒業生の木村氏およびM2の曹(Cao)が発表を行いました.
木村氏の発表は,回路特性のばらつきを考慮したシミュレーション手法に関するものです.半導体プロセスの微細化により今後ますます,回路の特性ばらつきによる動作不良が問題となります.この論文では,回路の歩留まりを高速に解析する手法を提案しています.本手法は回路の設計マージンに着目し,最急降下法を用いることで設計パラメタ空間における不良領域を効率良く探索することができます.微細プロセスにおける高信頼回路設計への応用が期待されます.
曹の発表は,印刷可能な薄型センサを用いたバイタルセンシングに関するものです.ユーザへの負担の少ないバイタルセンシング技術は近年大いに注目されている技術の一つであり,フレキシブルな薄型センサデバイスは様々な応用が期待されます.本研究では,非常に薄い形状をした櫛形電極静電容量センサを用い,指先で触れるだけで心拍数の計測を行うことに成功しました.また本論文では,計測精度を向上するためのセンサ構造の最適化方法についても提案しています.提案手法により実際に試作したセンサの感度を向上させることができました.
- 木村 和紀, 廣本 正之, 佐藤 高史:
“高次元回路歩留まり解析高速化のための最急降下法を用いた不良領域探索”, 第27回 回路とシステムワークショップ (於 淡路夢舞台国際会議場), pp.229-234, 2014年8月. - Xiaolun Cao, Masayuki Hiromoto, and Takashi Sato:
“An Experimental Study on Interdigital Capacitance Sensor for Detecting Heart Rate,” 第27回 回路とシステムワークショップ (於 淡路夢舞台国際会議場), pp.138-143, Aug. 2014.