DATE2015

2015年3月9日〜13日にフランスのグルノーブルで開催されたDesign, Automation and Test  in Europe (DATE) 2015にて,本研究室の粟野が研究成果の発表を行いました(発表日は3月11日,オーラルの採択率: 205/915=22.4%).

DATEは集積回路の設計自動化やテストに関する最難関の国際会議の1つであり,例年,ヨーロッパを中心に開催されています.集積回路の製造ばらつきを克服するための技術といった従来からあるトピックの他に,製造ばらつきを活用したチップ識別(PUF)といった近年注目されている分野の講演も多数あり,最近の研究動向を知る良い機会になりました.

  • Hiromitsu Awano, Masayuki Hiromoto and Takashi Sato, “ECRIPSE: an Efficient Method for Calculating RTN-Induced Failure Probability of an SRAM Cell,” in Proc. of Design, Automation and Test in Europe (DATE) (Grenoble, France), pp. 549-554, Mar. 2015.
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2015年3月VLD研究会

2015年3月2〜4日に沖縄県青年会館で開催された電子情報通信学会VLSI設計技術研究会(VLD)にて,研究生の辺とB4の吉永が発表を行いました(発表日は辺が3日,吉永が4日).

辺の発表は,プロセッサにおけるNBTI緩和手法に関するものです.半導体製造技術の進展に伴う負の側面として,トランジスタにおける負バイアス温度不安定性(NBTI)などの経年劣化が顕在化しており,プロセッサに代表される論理回路の信頼性と性能が劣化する問題が生じています.本発表では,経年劣化抑止ゲートを用いたプロセッサの経年劣化緩和手法を提案しました.クリティカルパス上の論理ゲートに対し,一定の論理に留まる確率を削減することでNBTI劣化を緩和します.数値実験により,設計マージンが12.5%削減され,寿命が約5倍延長されたことが確認されました.

吉永の発表は,Physical Unclonable Function(PUF)に関するものです. PUFとはデバイス特性のばらつきを利用した関数のことで,チップ毎に固有の”指紋”として機能することからセキュリティ分野における応用が期待されています.トランジスタのランダムテレグラフノイズ(RTN)の時定数は幅広い分布に従ってばらつくことが報告されており,PUFに利用することで優れた一意性を発揮できることが期待できます.本発表では,RTNによってリング発振器の発振周波数が単位時間あたりに変動する回数を比較する手法を提案しています.これについて実験を行い,既存のPUFよりも優れた性能を達成できることが示されました.

  • 辺 松, 新谷 道広, Zheng Wang, 廣本 正之, Anupam Chattopadhyay, 佐藤 高史:
    “命令セットアーキテクチャによる劣化抑止ゲート制御を用いたプロセッサNBTI劣化緩和手法”, 電子情報通信学会技術研究報告(VLSI設計技術研究会), 2015年3月.
  • 吉永 幹, 粟野 皓光, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “RTN起因のリングオシレータ発振周波数変動を利用したPUF”, 電子情報通信学会技術研究報告(VLSI設計技術研究会), 2015年3月.
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3回生(研究室配属対象者)向け研究室見学会開催

2015年2月23日(月) 15:15-17:15に研究室配属対象者向けの研究室見学会を開催しました.本年度は計40名を超える多数の学生が参加してくれました.

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第11回IEEE関西支部学生研究奨励賞 受賞

2015年2月10日(火)の2015年IEEE関西支部総会にてIEEE関西支部学生研究奨励賞授賞が行われ,本研究室の新谷,今川,粟野が表彰されました.
受賞対象の論文および国際会議発表は以下の通りです.

    • Michihiro Shintani, Takumi Uezono, Tomoyuki Takahashi, Kazumi Hatayama, Takashi Aikyo, Kazuya Masu, and Takashi Sato, “A Variability-Aware Adaptive Test Flow for Test Quality Improvement,” IEEE Transactions on Computer-Aided Design of Integrated Circuits and Systems, Vol.33, No.7, pp.1056-1066, July 2014.
    • Takashi Imagawa, Hiroshi Tsutsui, Hiroyuki Ochi, and Takashi Sato, “A Cost-Effective Selective TMR for Heterogeneous Coarse-Grained Reconfigurable Architectures Based on DFG-Level Vulnerability Analysis,” in Proceedings of Design, Automation and Test in Europe (DATE) (Grenoble, France), Mar. 2013.
    • Hiromitsu Awano, Masayuki Hiromoto, and Takashi Sato, “BTIarray: a Time-Overlapping Transistor Array for Efficient Statistical Characterization of Bias Temperature Instability,” IEEE Transactions on Device and Materials Reliability, Vol.14, No.3, pp.833-843, Sep. 2014.
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2015年1月EMCJ研究会

2015年1月22〜23日に沖縄県市町村自治会館で開催された電子情報通信学会の環境電磁工学研究会(EMCJ)にて,本研究室の高垣が発表を行いました(発表日は1月23日).

発表内容は実在する受動素子の等価回路表現についてです.
近年の電子機器はスイッチング電源と通信機器が含まれているものが多く,電源からのリンギング・スパイクノイズといった高周波ノイズによる電波障害(EMI)が問題となっています.そこで回路上の電圧電流解析が必要となっていますが,多様な電源や素子の組合せが存在するため実基板を用いた解析は非現実的です.本発表では,広帯域の周波数応答を正確に表現する等価回路化手法を提案し,回路シミュレーションによりその有用性を示しました.本研究は,電子機器の効率の良いノイズ解析・対策方法として役立ち,今後の益々の小型化・高性能化につながることが期待されます.
なお本研究は,株式会社村田製作所との共同研究の成果によるものです.

  • 高垣 勇登,三舩 洋嗣,日高 青路, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “3端子コンデンサにおける周波数特性の有理関数近似と等価回路表現”, 電子情報通信学会技術研究報告(環境電磁工学研究会) (於 沖縄県市町村自治会館), Vol.114, No.398, EMCJ2014-101,pp.89-94, 2015年1月.
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2014年度 忘年会

平成26年12月22日(月)19:00〜,出町柳駅近くの京亀にて忘年会を行いました.中村行宏名誉教授にもご参加いただき,鍋を囲んで和気藹々とした1年を締めくくる会となりました.皆の,今年一年の成果と来年への意気込みを聞くことができ,昨年とはまた違う明るい雰囲気の会となりました.

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デザインガイア2014

2014年11月26日から28日に別府市のビーコンプラザで開催されたデザインガイア2014において本研究室の粟野が研究成果の発表を行いました(発表日は11月26日).

集積回路の微細化に伴うトランジスタ特性のばらつきが問題視されていますが,微細化をさらに推し進めると,トランジスタの特性が時間変化してしまうという問題が顕在化してきます.近年のプロセッサでは大容量のキャッシュメモリを搭載しており,メモリを構成しているSRAMセルには非常に低い不良確率が要求されています.一方でチップの実装面積を削減するためにSRAMセルは比較的小さなトランジスタで設計されるため,要求される不良確率を満たした最適な設計を行うことは非常に困難な問題です.粟野の発表では時間変化する特性ばらつきも考慮に入れたSRAMセルの不良確率推定手法を提案し,機械学習等の手法を組み合わせることで計算時間の削減を可能としました.提案手法を使った不良確率解析を行うことで,設計者は時間変化する特性ばらつきの影響も考慮出来るようになり,微細トランジスタの性能を最大限に引き出す回路設計が可能となると期待されます.なお,ポスタセッションでも発表を行い,デザインガイア・ポスター賞を受賞致しました.

  • 粟野 皓光, 廣本 正之, 佐藤 高史: RTNを考慮したSRAM不良確率の高速計算, 電子情報通信学会技術研究報告(デザインガイア2014), VLD2014-74, ビーコンプラザ(別府国際コンベンションセンター), 2014年11月.
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ICCAD 2014

2014年11月2日〜6日にカリフォルニア州サンノゼで開催されたInternational Conference on Computer-Aided Design (ICCAD) 2014 にて,本研究室の新谷が研究成果の発表を行いました  (発表日は11月4日,採択率は77/304=25%).

ICCADは,集積回路向けCAD (Computer-aided design)に関する最難関の国際会議で,今年で33回目になる歴史のある会議です.本会議では,車載ICやICのセキュリティ等にもスコープを広げ,最先端のCAD技術が活発に議論されました.毎年シリコンバレーの中心地サンノゼで開催されます.会場の周辺は,Apple Inc.をはじめとするハイテク企業の本社が集まっており,IT企業の一大拠点となっています.

  • Michihiro Shintani and Takashi Sato:
    “Sensorless Estimation of Global Device-Parameters Based on Fmax Testing,” in Proc. of ACM/IEEE International Conference on Computer-Aided Design (ICCAD), pp.498-503, Nov. 2014.
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DATE2015採択決定

次の論文がDATE2015(the 18th Design, Automation and Test in Europe)のlong presentationに採択されました.

  • Hiromitsu Awano, Masayuki Hiromoto and Takashi Sato, “ECRIPSE: An Efficient Method for Calculating RTN-Induced Failure Probability of an SRAM Cell,” accepted for a long presentation, 2014. (Grenoble, France) (acceptance rate for a short or long presentation: 205/915 = 22.4%)
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ICSICT2014

2014年10月27日〜31日に中国チワン族自治区桂林で開催されたIEEE 12th international
Conference on Solid-State and Integrated Circuit Technology (ITSICT2014)にて、本
研究室の佐藤が半導体回路の長期信頼性に関する招待講演を行いました(発表日は10月28
日)。
中国におけるマイクロデバイス関連分野の活況を反映し、非常に多くの発表がある活気あ
ふれる会議でした。

  • Takashi Sato, Hiromitsu Awano, and Masayuki Hiromoto:
    “A Scalable Device Array for Statistical Device-Aging Characterization (invited),” in Proc. of 2014 IEEE 12th International Conference on Solid-State and Integrated Circuit Technology (ICSICT-2014) (Guilin, China), pp.255-258, Oct. 2014.
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