CVPR2020

2020年6月14日~6月19日にバーチャルSeattleで開催されたCVPR2020にて,助教の辺が発表を行いました(発表日はJST 18日).本会議は,機械学習分野におけるトップ会議であり,近年多数の投稿があります.今年も記録的に6000件以上の投稿があり,採択率は22.1%でした.今年はバーチャル開催となりました.

辺の発表は,ニューラルネットワークに基づいた安全推論プロトコルの高速化に着目したものです.従来の安全推論として,クライアントAliceが準同型暗号を用いて画像情報を暗号化し,サーバBobが暗号化された情報に対して,畳み込み計算を復号せずに直接行う手法が提案されています.この際に,暗号文に対する畳み込み計算は,ネットワーク全体の推論の計算コストの最大80%を占めることが分かっています.本研究では,AliceがBobに画像を転送する前に画像に対して数論変換を行った後に暗号化し,Bobは周波数領域でアダマール積を暗号文に対して実行し,Aliceが復号した結果に対して逆数論変換を行うプロトコルを提案しました.発表では,提案プロトコルを秘密分散やGarbled Circuitと重ねて用いる場合でもその正確性が保証されることを証明しました.実験では,CIFAR-10のデータセットにおいて畳み込み層の計算速度を23倍高速化し,ネットワーク全体の推論時間を10倍短縮することができました.

  • Song Bian, Tianchen Wang, Masayuki Hiromoto, Yiyu Shi, and Takashi Sato:
    “ENSEI: Efficient Secure Inference via Frequency-Domain Homomorphic Convolution for Privacy-Preserving Visual Recognition,” in Proc. IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) (Seattle, USA), June 2020.
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