2019年1月21日~24日に日本科学未来館で開催されたAsia and South Pacific Design Automation Conference (ASP-DAC) 2019にてD2の辺が研究発表を行いました(発表日は1月25日).
辺の発表は,部分準同型暗号を用いて安全なEメールフィルタを実装するものです.近年,クラウドコンピューティングやデータアウトソーシングに伴うプライバシ侵害が懸念されています.本発表は,安全な方式で単純ベイズ分類器を提案するもので,メールの内容を他社に知らせることなく分類器によるフィルタリングを行うことを目標としています.ベイズ重みの量子化や,部分準同型暗号の特性を利用したパラレルフィルタリング手法,およびハードウェアアクセラレータのアーキテクチャなどを提案しました.実験では,フィルタリング精度を平均1%のトレードオフすることで,既存手法より1200xの高速化が達成できることを示しました.ハードウェアアクセラレータを使用した場合,一般的なメールを0.5秒以内にフィルタリングすることができる,実用レベルのパフォーマンスとなっています.
- Song Bian, Masayuki Hiromoto, and Takashi Sato, “Towards practical homomorphic email filtering: A hardware-accelerated secure naive Bayesian filter,” in Proc. ACM/IEEE Asia and South Pacific Design Automation Conference (ASPDAC), pp.621-626, January 2019.
DOI: 10.1145/3287624.3287699