2016年 電子情報通信学会 ソサイエティ大会(3日目)

2016年9月20日〜23日に北海道大学で開催された電子情報通信学会ソサイエティ大会において本研究室のメンバーが研究発表を行いました.

3日目の22日は,研究員の新谷,M1の大石が発表を行いました.発表内容は以下の通りです.

大石の発表はパワーデバイスのパッケージ熱伝達特性の測定手法に関するものです.PWM制御により測定対象で消費される電力を一定に保ち,熱回路のステップ応答を直接測定することで,私たちが以前提案した手法と比べて簡潔な測定を可能としました.実際に市販にSiCパワーMOSFETを測定し,ヒートシンクの有無による熱応答の違いを確認しました.

新谷の発表は,V溝構造と呼ばれる特殊な構造のSiCパワーMOSFETに関するものです.SiCは既存のSiに較べて高効率に電力変換を行うことが可能な材料として注目されていますが,近年この特性をさらに向上させるMOSFET構造も提案されています.特に,V溝構造は飛躍的に電力変換効率を高めることが期待されており,企業で実用化が進んでいます.本研究では,このV溝構造SiCパワーMOSFETに向けた回路シミュレーションモデルを提案しています.提案モデルでは,V溝構造に特有な物理現象を考慮し,実測をよく表現することができます.

  • 大石 一輝, 新谷 道広, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “PWM電力制御によるパワーデバイスの熱伝達特性測定”, 電子情報通信学会ソサイエティ大会, A-1-35, p.35, 2016年9月.
  • 新谷 道広, 大石 一輝, 周 瑞, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “V溝構造SiCパワーMOSFETの静特性モデル化に関する一考察”, 電子情報通信学会ソサイエティ大会, A-1-36, p.36, 2016年9月.
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