WiPDA2020

2020年9月23日~25日にオンライン会議として開催されたThe IEEE Workshop on Wide Bandgap Power Devices and Applications in Asia (WiPDA-Asia)にてM1の下里が研究発表を行いました (発表日は9月24日).

下里の発表はSiC MOSFETの高温状況下での測定及びシミュレーションモデルに関するものです.SiC MOSFETはその素材に起因する優れた特性から,電気自動車や鉄道に使用される電力変換回路に使用される次世代素子として期待されています.回路中ではスイッチの役割を果たしますが,スイッチング時には大電圧かつ大電力の動作点を通過するために自己発熱が起こり,特性が変動したり,破壊が起こる可能性があります.通常はこのようなことが起こらないように設計しますが,回路や動作条件によっては問題になる可能性があります.

本研究は,そういった厳しい状況での回路動作をシミュレーションするために必要な,幅広い温度範囲で使用で可能なシミュレーションモデルを提案しました.温度依存性の原因となっている2つの物理現象を分離して単純な式で定式化しました.また,既存研究では200°C付近までに制限されていた電流特性測定を300°Cを超える温度まで行い,提案したモデルが幅広い温度範囲で測定結果とよく合うことを示しました.測定したすべての温度範囲で既存モデルより誤差が少ないことを示し,提案したモデルの有効性を確かめました.

  • Kohei Shimozato and Takashi Sato, “A Compact device model for SiC MOSFETs valid for wide-temperature range,” in Proc. IEEE Workshop on Wide Bandgap Power Devices and Applications in Asia (WiPDA-Asia), pp.56-60, September 2020.
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