2018年 電子情報通信学会 ソサイエティ大会

2018年9月11日〜14日に金沢大学角間キャンパスで開催された電子情報通信学会ソサイエティ大会において本研究室の小野が研究発表を行いました(発表日は9月13日).

小野の発表はNBTI(負バイアス温度不安定性)劣化によるArbiter PUFの応答の変化についてです.PUFは半導体の製造ばらつきからチップ固有の応答を出力する回路です.回路を構成するMOSFETは経年劣化により特性が変化することが知られており,PUFの応答の変化が懸念されます.
本研究では,2つの信号経路の遅延時間差を利用するArbiter PUFについて,NBTI劣化による応答の変化を反応拡散モデルに基づくしきい値電圧の変化を組み込んだ回路シミュレーションにより解析しました.その結果,ミリ秒等の短時間であっても回路を使用すると劣化により応答が変化すること,オン時間が長くなるに伴い応答の変化割合が大きくなること,劣化量のばらつきの大きさと応答の変化割合に正の相関が存在すること,初期遅延時間差が小さい応答ほど変化しやすいこと,を明らかにしました.この結果は,より信頼性の高いPUF回路の設計に役立ちます.

  • 小野 龍輝, 田中 悠貴, 新 瑞徳, 辺 松, 廣本 正之, 佐藤 高史, “NBTI劣化によるArbiter PUFの応答変化に関する検討,” 電子情報通信学会ソサイエティ大会, p.184, 2018年9月.
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