第30回 回路とシステムワークショップ@北九州国際会議場

2017年5月11日~12日に北九州国際会議場で開催された第30回 回路とシステムワークショップにて本研究室の佐藤が招待講演を,M2の大石,M1の新が研究発表を行いました(発表日は佐藤,大石が11日,新が12日).

佐藤はパワーMOSFETのモデリングに関する招待講演を行いました.電気回路と熱回路の両方を連立させ同時に計算をすることで,より高精度なシミュレーションが実現されます.最近の我々の研究室での取り組みについてまとめ発表しました.

大石の発表は電力変換回路の電気・熱連成解析に関するものです.近年の電力変換回路の小型化に伴い,事前の熱設計は必須のものとなっています.これまでに我々は精度のよい電気・熱連成解析を行うために,デバイスのモデリング手法の面からアプローチしてきました.本発表ではその技術を利用して実際の電力変換回路の解析を行った結果を報告しました.さらに実際の解析にあたり,解析を高速化する手法も今回提案し,シミュレーション誤差8%以内かつリアルタイムのシミュレーションが可能であることを示しました.

新の発表はトランジスタ劣化によるしきい値変動のモデル化に関するものです.トランジスタ劣化現象である負バイアス温度不安定性(NBTI)は集積回路の微細化に伴う信頼性課題の一つであり,それぞれ異なる物理原因に起因する2種類の既存モデルが提唱されています.本発表ではpMOSFETトランジスタアレイの実測結果の考察を元に,劣化の永続成分と回復可能成分をそれぞれ異なる物理モデルに帰着させたモデルを提案し,広い条件のもとで既存モデルより実デバイスの特性を精度良く表現できることを確認しました.

  • 佐藤 高史, 大石 一輝, 新谷 道広, 廣本 正之:
    “(招待) 回路シミュレーションによる電力変換回路の熱・電気連成解析を目指して−自己発熱を考慮したパワーMOSFETのモデリング−”, 第30回 回路とシステムワークショップ (於 北九州国際会議場), pp.99-104, 2017年5月.
  • 大石 一輝, 新谷 道広, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “特性測定に基づくパワーデバイスの自己発熱モデルを利用した電力変換回路の電気・熱連成解析”, 第30回 回路とシステムワークショップ (於 北九州国際会議場), pp.105-110, 2017年5月.
  • 新 瑞徳, 森田 俊平, 新谷 道広, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “トランジスタ劣化の永続・回復可能成分を考慮したしきい値電圧変動の時間依存モデル”, 第30回 回路とシステムワークショップ (於 北九州国際会議場), pp.208-213, 2017年5月.
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