第42回パルテノン研究会

2016年12月17日に東海大学 高輪キャンパスで開催された第42回パルテノン研究会においてM1の氏家と業天が発表を行いました.

氏家の発表は,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を対象とした演算簡略化手法に関するものです. CNNは広範なクラスの画像を高精度で認識できる一方で,演算による負荷が大きくハードウェア実装においては消費電力が課題となっています.本発表では,そのようなCNNの計算を簡略化する各演算簡略化手法を評価するための評価環境を提案し,実際に演算簡略化手法の効果を定量的に評価できることを示しました.

業天の発表は,FPGA上にイジングモデルを用いたソルバを実装する方法に関するものです.イジングモデルはスピンと呼ばれる状態を持つ格子点が隣接する格子点と相互に接続される構造を持ちます.隣り合う格子点との相互作用によって自身のスピンが決定され,スピンの決定は各格子点で並列に行われます.イジングモデルを用いた解法ではこの並列性を利用して解を求めるため,従来より高速です.最大カット問題を用いて提案手法と既存の整数計画法によるソフトウェアソルバの求解速度を比較し,99%以上の精度の解を求める際に10万倍以上高速であることを確認しました.

  • 氏家 隆之, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “演算簡略化手法評価のための畳み込みニューラルネットワークのFPGA実装”, 第42回パルテノン研究会, pp.51-56, 2016年12月.
  • 業天 英範, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “イジングモデルのFPGA実装による最大カット問題の求解速度評価”, 第42回パルテノン研究会, pp.57-62, 2016年12月.
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