NOLTA 2016

2016年11月27日~30日に湯河原で開催された International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA 2016) にて本研究室の特定助教の新谷とM2の周が研究発表を行いました (発表日は28日).

新谷の発表は,スイッチング損失を生じないゲートドライバに関する発表です.動作周波数の向上により,電力変換回路の容量を削減することができますが,一方でゲートドライバのスイッチング損失が深刻な課題となり得ます.本研究では,E級増幅回路に基づくソフトスイッチング技術を応用したゲートドライバを提案しました.ソフトスイッチング技術により,スイッチング損失を生じることなく,対象のデバイスを正常に駆動することができます.なお,本研究は千葉大学大学院融合科学研究科 関屋大雄准教授らとの共同研究の成果によるものです.

周の発表は,SiCパワーMOSFET向けの回路シミュレーションモデルに関するものです.SiCは電気エネルギーの利用効率を高める材料として注目されています.SiCパワーMOSFETを実際の電力変換回路で用いる前に,回路シミュレーションにより性能を見積もることが有用ですが,その精度は用いられるデバイスモデルに依存します.本発表では,物理に則った電荷基準モデルをベースとし,SiCの特徴であるピンチオフ電圧の変化と縦構造に寄生する抵抗を追加したデバイスモデルを提案しました.本モデルを市販のSiCパワーMOSFETに適用した結果,電流特性,容量特性,過渡解析のシミュレーションについて実測と良く一致することが確認できました.

  • Michihiro Shintani, Yuchong Sun, Hiroo Sekiya, and Takashi Sato:
    “A Design Example of Class-E Based Gate Driver for High Frequency Operation of SiC Power MOSFET,” in Proc. of International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA), p.181, Nov. 2016.
  • Rui Zhou, Michihiro Shintani, Masayuki Hiromoto, and Takashi Sato:
    “A Charge-Based SiC Power MOSFET Model Considering On-State Resistance,” in Proc. of International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA), pp.177-180, Nov. 2016.
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