第28回 回路とシステムワークショップ@淡路島夢舞台国際会議場

2015年8月3日~4日に淡路島で開催された第28回 回路とシステムワークショップにてM1の小西,大荷が研究発表を行いました.

小西の発表は圧縮センシングを用いたイメージセンサ回路に関するものです.圧縮センシングとはデータの取得と圧縮を同時に行う方法で,イメージセンサに用いるとサンプリング回数を画素数より少なくすることができ,エネルギーの削減が可能です.そのため,電力制限の厳しい無線センサネットワーク等の状況下で低電力な画像取得の方法として期待されています.本発表では,イメージセンサの圧縮センシング処理におけるオーバーヘッドを小さくする回路を提案し,処理時間の短縮を行いました.本提案により同画質の画像の取得に要するエネルギーの削減が期待できます.

大荷はニューラルネットワークを用いた画像認識ハードウェアの低電力化に関する発表を行いました.携帯電話やデジタルカメラなどでの顔認証や,大規模な画像検索サーバ等,画像認識が行われる機会が増えており,それを行うハードウェアの低電力化が必要となっています.また,ニューラルネットワークを用いた画像認識が近年高い識別精度を記録し,注目されています.ニューラルネットワークは,多層のネットワーク構造を用いて画像を識別するものであり,低電圧動作によってネットワークの一部で演算誤りが起こったとしても正しい識別が行える可能性があります.本発表ではこの特徴に注目し,演算誤りが識別精度に与える影響を少なくするような識別アルゴリズムを提案しました.シミュレーションの結果,従来の手法と比べ10%低い電圧において,同等の識別精度を保つことができました.

また,教員の佐藤も「ばらつき考慮シミュレーションの最近の動向」と題する招待講演を行いました.

  • 小西 慧, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “圧縮センシング向けイメージセンサにおける省電力な観測行列生成回路”, 第28回 回路とシステムワークショップ, pp.243-248, 2015年8月.
  • 大荷 唯明, 廣本 正之, 佐藤 高史:
    “ニューラルネットワークハードウェアの低電圧動作時における演算誤り緩和”, 第28回 回路とシステムワークショップ, pp.249-254, 2015年8月.
  • 佐藤 高史:
    “(招待) ばらつき考慮シミュレーションの最近の動向”, 第28回 回路とシステムワークショップ, pp.19-24, 2015年8月.
カテゴリー: Conference/Workshop タグ: , パーマリンク